黒緑轟轟轟【砂遊び】
赤白轟轟轟。それは現環境最高速度で顔面を殴ってくる、高速メタビート。
2ターン目にメタクリーチャーを並べながら7マナSAのWブレイカーが飛んできて、身ぐるみ剥がされて死ぬ。
その理不尽さはトーナメントシーンにおいてデッキ構築を歪めさせるほどの影響力がある。
今でこそ最速デッキは間違いなく赤白轟轟轟であるが、だからこそ僕は、かつての最速デッキを握りたかった。
「黒緑速攻」
安い、速い、強い
デッキを1コストという最軽量黒緑獣で固め、手札を吐き切りながら3,4ターン目での早期決着を狙うデッキ。
デスマーチ、ハックルキリンソーヤという進化元を盤面外に要求する実質的なスピードアタッカーによって、相手に理不尽を押し付けるこの山は、ほとんど完全上位互換の速攻デッキの登場により、ほとんど息をしていなかった。
「2tリリアングヘブンズフォースミクセルプーンギ、手札一枚なので轟轟轟ブランド、2点で」
黒緑速攻に轟轟轟ブランドを入れた。
彼は本当に優秀だった。
引くことができれば、元々の黒緑速攻の横展開に加え、大型獣での強襲が可能となった。
しかし、回せば回すほど、赤白轟轟轟でよくね????という悲しい結論に至るのであった。
同じこと、同じ速度を求めても下位互換にしかならないのなら
この色でしかできないことを、しよう。
「黒緑轟轟轟」
———黒の1マナ獣が出るたびに、黒緑速攻は強化される。
そして同パックでUGC化、オンリーウォーカーと一緒に使えと言わんばかりの勢いで再録された特攻人形ジェニー。
タカラトミーからの、熱いメッセージ。
「2ターン目にハンデスしながら殴れ!」
黒緑という色だからこそできること。
ハンデス。
赤白轟轟轟にはできない、(できたからといってどうということはないかもしれない)黒緑轟轟轟を握る理由が、今ここ誕生したのだ。
そしてツインパクトというギミックを採用することで黒緑速攻ハンデス風味は、さらなる奥行きを見せる。
クリーチャー面を使うなら、2ターン目にハンデスをしながらデスマーチの種を残し、なおかつ手札を減らして轟轟轟ブランドに繋げられる。
自身も打点要員として場に残る。
呪文面を使うなら、序盤に走ったが除去された轟轟轟ブランドを蘇生させることができる。
非進化指定もないため、ブランドがいなくともデスマーチ・キリンソーヤなど進化獣で顔面を詰めることができる。
(速攻デッキなのに5ターン目に顔を詰めきれていない状況、それってほぼほぼ負けなのでは?というところは突っ込んではいけない。)
てことでレシピ。どん。
…黒緑轟轟轟という名前の唯一無二感に惹かれ作成も、Twitterで検索かけたら数件ヒットしました。悔しい。
強い弱いではなく、
他のデッキにできないことができるかどうかを意識していきたい。
コンセプトをドヤ顔で人に説明できるように。
情報が溢れすぎている今、いわゆる強いデッキを模倣、完コピすることは容易となった。
しかし僕は、カードゲームにおいてデッキを作る段階が一番楽しいと思う人種なので、テンプレリストをそのまま買い揃えて使う人は勿体無いなと思ってしまう。
否定する気はない。でもこの感性は忘れずに持っていたい。
そして僕はまた、ネタのような山を作っては崩す。園児の砂遊びみたい。